外壁の種類〜モルタル〜

モルタルとは、砂とセメントと水を混ぜ合わせた材料のことです。充分な防火性があり、継ぎ目がないので、どんな形状の外壁にも対応できるデザインの自由度の高さがあります。そのため、仕上げの工法によって多彩な表情を演出できるのが、他の外壁材にはない大きなメリットです。

ただし、工業製品の外壁材とは異なり、職人の手作業による現場施工になります。そのため、左官工の実力や、仕上げを行なう塗装工の腕、現場での品質管理の良否によって仕上げや耐久性に大きな差が出ますが、適切な施工をした場合、30年以上の耐用年数があるとされています。しかし、長く機能を保つためには、適切なメンテナンスが欠かせません。モルタルの最大の弱点、それはひび割れです。ひび割れが発生すると、雨水が浸入し構造部分の腐食や雨漏りを引き起こす危険性があるため、補修が必須となります。

他にも、チョーキングや剥がれなど、モルタルで注意すべき劣化のサインは多くあります。仕上げ方法が不十分であったり、使用される塗料のグレードが低いもの場合、カビや汚れがつきやすく、外観だけでなく耐久性も損ねてしまいます。

これらの症状を防ぐためにも、定期的なメンテナンスを行い、塗膜の耐久性に注意すること。そして、モルタルの表面にチョーキングや亀裂・剥がれ・コケ・藻の発生などの症状が出たら、すぐに専門家に診断してもらうことが重要です。

工法① リシン仕上げ

リシン仕上げは、ツブツブした粗い表面で、つや消し効果があり、自然石などの風合いに近いのが特徴です。しかし、安価なアクリル樹脂が使われることが多いため耐久性は高くありません。モルタルのリシン仕上げの耐用年須は、およそ7~8年といわれています。

また、リシン仕上げといっても、複数の仕上げ方があります。一般的なのはリシン掻き落とし仕上げという仕上げですが、外壁に細かく砕いた大理石などを混ぜたモルタルを塗り、モルタルが硬化する前に引っ掻いて粗い面に仕上げる工法です。その他の工法としては、骨材(細かく砕いた石や砂)に樹脂やセメント、着色剤などを混ぜたものを吹き付けて施工する工法もあります。

工法② スタッコ仕上げ 

スタッコ仕上げは、セメントや大理石、砂などを混ぜた原料を、コテやローラー、または吹き付けによって施工する工法です。この工法は、リシン仕上げよりも厚めに仕上がるので、重厚感や高級感があります

価格が安く、耐久性が高いのがメリットですが、表面がざらざらした質感のため、汚れがつきやすいのが欠点です。

工法③ 吹き付けタイル

けい砂、軽量骨材などの原料と、樹脂を混ぜ合わせ、タイルガンと呼ばれる工具で吹きつけたものです。

ひび割れや汚れに強いこと、外壁に多彩な表情を演出できるのがメリットです。さらに手作業で行うものよりも安価で施工が行えることも挙げられます。

ただ、使用する樹脂によって耐用年数が変化しますし、職人の技術によっても耐用年数は変わってきてしまいます。さらに吹付けがすべて付着するわけではないので、材料のロスが他のものよりも多くなってしまうのがデメリットです。

 施工を行う際は入る職人が経験を積んでいるのか確認して、中途半端な施工にならないよう、注意してください。

工法④ 左官仕上げ

左官仕上げとは、職人がコテで模様を仕上げる方法で、おしゃれな雰囲気にしたい方に人気の種類です。種類としては「ジョリパッド」などがあり、塗料と砂を混合した砂壁状の塗料で、モルタルの上から塗装する材料工法です。

職人の手作業で仕上げるので、デザインなどが決められて、味のある仕上げになります。また、床や壁の耐久性をアップさせる効果もあります。さらに自然素材のものをほとんど使用しているのでアレルギーやシックハウス症候群を起こす心配がすくないものになります。

しかし、左官作業ですので職人によって差がでてまうことがありますし、施工費が若干高くなってしまいます。また、汚れが付きやすいこともあげられるので、定期的なメンテナンスを行ってきれいな状態をたもつのがおすすめです。

 

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