コーキング(シーリング)とは? 外壁におけるコーキングの役割とメンテナンスについて

千葉県佐倉市・成田市を中心に地域密着で建物を守る外壁塗装・防水工事専門店のヨシオカです。

今回は、住宅の外壁で現在主流となっているサイディング外壁で必ず使用される「コーキング(シーリング)」について、コーキングが劣化した際にご自宅に起こる症状や、ご自分でもできるコーキングの劣化状況の確認方法についてお届けしたいと思います。

コーキング(シーリング)とは

コーキングとは、サイディング外壁のボードとボードの境目の継ぎ目(目地)を埋めるゴムのようなもので、防水性、耐候性を高める役割を持っています。

なぜコーキングが埋められているかと言うと、サイディングボードやALCパネルは新築工事中に躯体壁面に貼り付けることで外壁が完成します。

もし、壁材を隙間なく貼り付けてしいまうと、地震による揺れ、気温変化などによる膨張で外壁材と外壁材がぶつかり合い、破損してしまいます。そこで、隙間ができるように外壁材を貼り付け、その隙間にコーキングを注入することで振動や膨張が置きても壁材同士が衝突することもなくなり、防水性と耐候性の高い外壁にすることができます。

ようするに、電車のレールが夏に膨張して曲がらないようにするために、レールに隙間が開けられているのと同じです。

なお、コーキングのことをシーリングと呼ぶ業者さんもありますが、意味は同じです。

コーキングが劣化してくるとどうなる?

コーキングの役割は先程ご説明した通り、防水性・耐候性の向上になります。しかし、コーキング自体も経年で劣化してしまいますので定期的なメンテナンスが必要になります。

ではコーキングが劣化するとどのような不具合が出てくるのかご説明させていただきます。

1.漏水(雨漏り)

コーキングからの漏水(雨漏り)はよくあることです。
コーキングは防水の役割も担っているわけですから、それが劣化してしまうと防水性能が低下してしまうのは当然です。

外壁の下地は木ですので、コーキングの劣化を放置してしまうと、そこから雨水などが侵入し外壁の下地にある木部にまで影響が及んで、最悪の場合木が腐ってボロボロになってしまうこともあります。

目地のコーキングはもちろんですが、窓(サッシ)周りのコーキングは目地部分よりも漏水する可能性が高いため、更に注意が必要です。

2.外壁材の破損

これも上で書きましたが、目地のコーキングがなくなってしまうと、夏に外壁材が膨張し、外壁材同士がぶつかり合って破損してしまうこともあります。ひび割れや欠けといった度合いは様々ですが、コーキングの劣化を放置するとこのように外壁材が破損することもあります。

コーキングの劣化状態のセルフチェック法

コーキングも外壁や防水と一緒で、自分でもある程度状態を知ることができます。ここでは、コーキングの劣化症状をご紹介していきます。

1.外壁材とコーキングの隙間

外壁材とコーキングの隙間

コーキングの横(外壁材とコーキングのつなぎ目)に隙間ができていることがあります。このような場合、防水機能は低下してしまいますので、この隙間から雨水などが侵入していしまいます。

これは、プライマーの塗り忘れや塗りムラなどがあると発生する場合や、時間の経過により密着性が低下して起こる場合があります。

2.コーキングのひび割れ

コーキングのひび割れ

コーキングは劣化が始まると弾力性が失われてひび割れが発生します。
ひび割れは初期は細かく、段々と大きくなっていきます。劣化の進行状況により度合いは変わってきますが、ひび割れがあるということは、コーキング自体の劣化が始まっているということになります。

3.コーキングの剥離

コーキングの剥離

コーキングの隙間やひび割れなどの症状を放置すると、外壁からコーキングが剥離してなくなってしまいます。コーキングがなくなると下地が見える状態になってしまいます。それでも放置し更に劣化が進行すると最終的に青いテープが露出し、バックアップ材が見えるようになってしまいます。

ここまで行くと外壁同士の衝突が起こる可能性がありますし、漏水(雨漏り)のリスクも格段に上がっていきます。

コーキングの耐用年数

コーキングの耐用年数は、紫外線や雨風の影響をどれくらい受けるかなど、環境や立地条件によっても変わりますが、大体の場合は新築後10年前後です。外壁塗装や防水も10年前後と言われているので、同じくらいのタイミングでコーキングも劣化していきます。

ですので、外壁、屋根の塗装と同じタイミングでコーキングの打ち替えを実施するのがオススメです。

もし外壁と屋根の塗装を行った際にコーキングの打ち替えを行わなかった場合、数年後にコーキングが劣化してコーキングの打ち替えが必要になってしまうと、再度足場代がかかってしまいます。

もし外壁塗装をするときにコーキングの劣化がそれほど進んでいない場合でも、次回の外壁塗装(10数年後)までコーキングが持つのか? と考えてみると、その時まで持つとは考えにくいので、無駄な出費を省くためにも、塗り替えのタイミングで同時にコーキングを打ち替えることをオススメいたします。

また、屋根外壁の塗装で20年や30年耐久の塗料を採用した場合、「結局コーキングは10年前後が寿命なんだから足場代がかかる」と思われる方もいらっしゃると思いますが、オート化学工業の『オートンイクシード』という30年近い耐久を有するコーキング材が発売され、コーキングも塗料と同じくらいの耐用年数を有する材料を採用すれば問題ありません。

まとめ:外壁におけるコーキングの役割とメンテナンスについて

屋根や外壁用の塗料、防水塗料と同じで、コーキングでも外壁や屋根など使用する場所や下地との相性、用途により適応するコーキングの種類が違うため、適切な商品を選ぶことが大切です。

コーキングも防水などと同じく、劣化してしまうと雨漏りや外壁の損傷を起こしたりする恐れがあるため、ご自宅のコーキングに劣化症状がないかを確認し、もし劣化が見られるようであれば業者に相談してみましょう。

また、劣化症状が見つかっても放置してしまうと、外壁材を剥がしての大掛かりな工事が必要になるなどコーキングの打ち替えだけでは済まずに多大な出費になってしまう場合もあります。

ですので、コーキングの打ち替えだけで済む内に、外壁塗装のタイミングなどで一緒にコーキングのメンテナンスも行ってしまいましょう。

弊社では写真付きの報告書や施工後保証もしっかりお付けいたしますので、安心してご相談ください!